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ビジネスのヒント18〜マーケティングの基礎_街歩き②

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 前回に続いてマーケティングに関わる街歩きについてです。出張に行った際に見ているポイントについて書いて見たいと思います。

 

1. 場所

a) 空港到着ロビー

 まず出張に行った際に、イミグレーションとカスタムを抜けると空港の到着口に辿り着きます。そしてその場では、本当にたくさんの人たちが待っていることが多いです。家族の帰りを待っている人。出張者を迎えに来ている会社の人やタクシードライバー。旅行会社の添乗員。ホテルの送迎バスのドライバー。あわよくば高い金額ふっかけようとするタクシーの客引きなど様々です。そこには、極めて幅広い層の人たちが、一箇所に集まっているため、そこで彼らの身につけているものを見たり、感じたりすることで、その国で普通に身につけられているものがどういうものかをまず知ることができます。

 

b) 屋外広告

 空港から街に出る際には、車?バス?電車?など、いずれにしても何らか交通手段によって、ホテルがある街中まで移動することになります。その経路の脇には、どの国においても必ずと言っていいほど、屋外広告が建てられております。それらの看板では、どういった商品が多いでしょうか?どのようなモデルが使われているでしょうか?どのような色使いがされているでしょうか?など様々な情報を見て取ることが可能となります。今後自社で広告やマーケティングをする際の効果的な見せ方をするための情報として、インプットをしておくことが必要となります。

 

b) スーパーマーケット

 一口にスーパーマーケットといっても、高級スーパーから場末のスーパーまで色々とあるかと思います。もし時間が許されるのであれば、その全てをご覧になられることをお勧めします。それにより、アッパー層が購入している価格帯。そして一般消費者が生活をしていく上で、許容できる金額感など把握することが可能です。

 本当に一番いいのは、その国に現地の人たちと同じ給与をもらって、住んでみるのが一番その国を理解できる方法と個人的には思っております。マレーシアではそのような生活をしておりましたため、今だにマレーシアに関する価格感について議論をする際は、当時から数えると20年も経過しているにも関わらず、その当時の価格に対する感覚に一瞬で立ち戻ることが可能です。

 

d) 食べ物・屋台

 出張に出た際に、レストランだけで食事をしてないでしょうか?前回も申し上げましたが、味覚的なチェックのために地元の人たちが食べている屋台等で食事をすることの大切さを書かせて頂きましたが、食事に関する価格感を知るという意味でも、屋台で食事をするこが必要になります。
 蛇足ではありますが、2,3年前にマレーシアに行った時に、マレーシアの朝食でナシレマッ(下記写真ご参照)と呼ばれる朝食があるのですが、20年前に1RM(約27円)で販売していたのですが、ホテルの窓から屋台が見えて、次の日の朝にその屋台に買いに行ったところ同じ1RMで買うことができて非常にびっくりしたことがございます。

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2. 見ているもの

a) 靴、服装、時計、メガネなど
 空港から始まって街中においても、色々な人とすれ違うことになります。その人たちがどのような色合いの服をきて、どのようなカットの服を着て、どのようなブランドの靴や時計を履いているのか?またはシンガポールのように、サンダル履きなのか?靴を履いているのか?色々な情報が入ってきます。特にアジアにおいては、我々が想像できないようなお金持ちであっても、Tシャツ短パンでうろついているということはざらにあります。そして、街ですれ違った人たちが、何を購入して、何を食べて、何を見ているのかをひたすらに観察してみることが必要となります。

 

b) 商品(飲料等)パッケージ

 色使いについて、その国の特徴が表れやすいものとして、飲料のパッケージがあります。インターナショナルブランドの飲料は、世界で統一されたパッケージとなっておりますため、観察対象から除外されることになりますが、ローカルで作られている飲料は、棚で見た時に消費者の目線を引く必要がありますため、色使いからフォントまで意識的に目を引くようになっております。それを観察することで、地元の人々の目に移りやすいものの感覚を養いましょう。ただし気をつけないといけないのは、シンガポールでも、台湾やタイの飲料がコンビニの棚に普通に並べられていることなので、慣れないうちは全てのパッケージのラベルを確認していく必要がございます。

 

 これらのことは、販売・サービスに関わる業界だけではなく、地元の人々の考えていること、意識していることを知るためには必ず必要な観察タスクとなってまいります。例えば自分が現地に赴任して、現地の人と働くようになった場合に、現地の人が何を食べ何を見て何を考えているかのベーシックなところを知るだけでも、非常に会話がし易くなってまいります。故に、海外出張の際には、必ずどこに行っても常に日本とは違うという感覚をお持ちいただいて、一旦は、日本との比較、慣れてきたら、その他の国との比較を行っていくとおもしろいと思います。