〜For Bridges’s Blog〜

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日本食材の販売チャンスと課題!!

 以前の記事の続編です。タイトルを見て「何を当たり前のことを言っているんだ」と思われるかもしれませんが、現地の和食レストランに食材を供給しているインポーターの多くが日系であるのは、当然の流れです。日本食が現地に浸透する過程として、以下のようなステップがあります。

  1. 日本人がビジネスのために現地に赴任する
  2. 現地日本人をターゲットに和食店舗(料理人)が開店する
  3. 現地の和食店舗(小売店)に対して、日本から進出した貿易会社が食材を供給する
  4. 日本人居住者の増加やローカルへの日本食の普及により、和食店舗が増加する
  5. 日系インポーターを通じて、日本食材の流通量が増加する

 このように、各国での和食店舗や日本食材の流通量が増えていくのが一般的な流れであり、当初の物流量の少なさや、日本からの繋がりが深い日本企業が中心となるため、ローカル系のインポーターが介在する余地は少ないのが現状です。

 さらに、日本人特有の傾向として、「日本人同士で商売をしたい」「現地のローカルに浸透したくない」という性格が、この状態をさらに強化していると考えられます。

 

■日系インポーターに依存することの問題点

 弊社では、日本のさまざまな食材の現地でのプロモーションや輸出量拡大をサポートしていますが、よく現地のインポーターやシェフから次のような話を聞きます。「日本食材を取り入れたいが、日系のプレイヤーと連絡を取る方法がわからない」「アプローチしても返事がない」といった声です。

 前回のブログでは、日本食レストランの人口10万人当たりの店舗数によって和食の浸透度を測れるのではないかという仮説を立てましたが、このように和食店舗数が飽和状態にある市場では、食材の輸出量を劇的に増加させることが難しいという現実があります。

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 上記のインポーターやシェフからのコメントのように、日本食材の販売拡大のチャンスがあるにもかかわらず、日本側の生産者が日系インポーターとの取引にしか頼れないため、大きなチャンスロスが生じている状況です。

 これはレストラン向けの販売に限った話ではなく、スーパーマーケット向けの販売においても同様です。日系インポーターが現地のスーパーマーケットとつながっているケースは、ローカル系に比べて非常に少なく、そのため日本食材の売り込みができない状態が多く見受けられます。

 したがって、中長期的な視点で日本食材の輸出拡大を目指すには、ローカル系インポーターへの販売チャネルの拡大は避けて通れない道であると考えます。

※国と取り扱う食材によって事情は変わります。