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ビジネスのヒント28〜損益シミュレーション・資金繰り

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 その昔、各種事業の損益シミレーションをすることが何度となくございました。

 海外で事業展開をする上では、まずは現地のマーケティング調査を実施し、①その市場性を把握した上で、②類似業種の状況について把握し、③その後、事業計画の作成に入っていくことになると思います。

 

1. 損益計画について

 事業計画は、損益計画と投資計画に大きく大別されることになるかと存じますが、まずは損益計画についてです。損益計画は売り上げとランニング費用と投資により発生する償却費に分けられます。
①売上計画ー客単価 x 客数

    客単価- 価格表・メニューより算出

 客数 - 平日・休日・時間帯別に分けて想定の客数を算出。客数については、BtoCのビ
    ジネスであれば店舗を出店した立地におけるトラフィックに大きく影響を受け
    ることになります。もし仮にトラフィックがそれほどない立地にオープンをし
    た場合、自社のブランド力・コンテンツ力だけでお客様を誘引する必要があり
    ますが、その場合、マーケティング費用を初期に大きく投下する必要が出てま
    いります。当然、その分ランニングで発生する家賃等は減少することになりま
    すが、一方で初期費用を大きく見込んでおく必要がございます。

 

②費用計画-各種発生費用 ※国によって大きく異なる費用を取り上げてまいります。
 売上原価ー日本やその他海外から現地にものを運んでくる必要がある場合は、輸送
      費・関税等の追加コストが発生します。そのため、日本より費用的に高く
      なる可能性が出てまいります。一方で、元々工場や委託生産先がある国で
      の事業展開を企図された場合、逆に費用が下がる可能性がございます。
 人件費 ー基本的には日本より人件費が低い場合が多いかと存じますが、逆に対象事
      業領域においてマネージャ人材等が不足している場合など高くなる可能性
      があります。また日本から人材を呼ぶときも注意が必要で、家賃・渡航
      費・医療保険費用等追加のコストが発生するために、現地スタッフの人件
      費の数倍になることはざらに起きうることとなります。一方で、現地でオ
      ペレーションを組むときに、日本で想定していた人員数以下でのオペレー
      ションにしか慣れていない人材しかいないため、結果人員数が多くなり人
      件費が膨らむことも想定しておく必要がございます。

 家賃  ートラフィックが良くないところは当然やすくなります。しかし商業施設な
      どでは、日本の商業施設のそれと大差ないことが殆どです。東南アジアの
      国々であるからといっても、そこは過少にみるべきところではございませ
      ん。

 

 一番良いのは、類似業種の損益計画を手に入れることで、凡その売上対費用率を把握しておくことが必要となります。

 

③償却費用 / 投資計画

 設備関係の投資による償却費用ですが、基本的に海外で賃貸借契約を巻いた上での焼却費用は、契約年限がベースとなってきます。そのため、見かけの損益計画では契約年数が短いと償却費が大きくなる傾向がございます。

 また事業投資に関しては、上記の人件費が大きく寄与する部分が大きくなります。内装工事やIT関係の投資であれば、人員数 x 工数が見積もり金額に大きく影響を与えることとなりますため、人件費が安いところでは見積もり金額が下がることが想定される一方で、その国では手に入らない材料や機器をその国に輸入する場合において、材料・機器の調達費用が日本のそれより高くなる傾向がございます。よく開発途上国だから投資金額が安くて済むだろうと考えておられる方もいらっしゃいますが、まずはゼロベースでご検討をして頂くことをお勧めします。

 

④番外編 / 資金調達

 海外の現地法人では、日本の銀行の支店があったとしても借り入れを立てることは、設立間もない法人ではほぼ不可能です。また現地銀行は外資に対しての貸付はほぼ行うことはございません。そのため当初資金は投資計画に含まれる投資金額+潤沢な運営資金を現地に持ち込んで事業を開始しないと、後から本社から海外現地子会社に貸付を行うことなってしまいます。そして、基本的には、日本本社の与信をベースにして銀行の日本本社での審査が必要になるため実質日本法人で借り入れを起こすのと意味合い的には変わらない立て付けとなります。