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ビジネスのヒント27〜海外進出形態別のマーケティング

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 前回は海外進出の形態について書かさせて頂きました。その際のマーケティング関係のトピックについて取り上げて行きたいと思います。前回の記事で進出形態は3つに分けられると書かせて頂きました。


1. 代理店/ フランチャイジー方式

2. 合弁会社 / ジョイントベンチャー方式

3. 直営方式
 

 それぞれの形式によってマーケティング上で担う責任範囲が異なってまいります。それぞれについて書いてみたいと思います。

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1. 代理店/ フランチャイジー方式
 合弁会社 / ジョイントベンチャー方式(相手型がマジョリティの場合)

 このパターンの場合、基本的には海外においては広告・マーケティングの領域は、現地パートナー企業にお任せすることになります。そのため、進出企業側で何かをするということはない形になると思われます。しかしながらリスクとしては2点ございます。

 1点目は、現地企業側から現地市場でのより良い形に変えて欲しいと言われることです。例えば、包装材料1つをとっても、その大きさや色味など現地に合うものは、日本にそれと異なる場合が多いため、現地に合わせた形に作り変えて欲しいということです。一方で、進出元企業側としては、現地の状況について知る術が殆どないために、現地からの良い助言を煙たく思ってしまい、結果、対立してしまうことになります。

 2点目は、進出企業様が望んでいるようなブランディングがされるかどうかです。マーケットが変われば打ち出し方が変わるのはある程度までは許容できるとしたとしても、自社が思っているブランディングから大きくかけ離れてしまうことが想定されます。なので、弊社がお付き合いがある香港・マカオミシュランで1つ星を取られているブランド様は、各国でフランチャイズ形式で出店を現地パートナーに任せているいるのですが、マーケティングのところについては、必ず自分の思われた通りにされている動かしているとのことです。それは自社のブランディングと異なる打ち出され方をして、グローバルでのブランディングが毀損されることを恐れいているからになります。

 

2. 直営方式、合弁会社 / ジョイントベンチャー方式(自社がマジョリティの場合)
 この場合、原則自社の人材が全てのマーケティング活動を取り仕切る必要が出てきます。その場合問題となるのが、

 ①現地現場を取り仕切る人材のマーケティングに関するリテラシーおよび
  判断基準を保有しているかどうか?

 ②現地法人マーケティングマネージャ/外部委託先の力量

 ③マーケティング施策の計画力および運用力

が挙げられます。

 

①現地現場を取り仕切る人材のマーケティングに関するリテラシーおよび
 判断基準を保有しているかどうか?

 現場の責任者がマーケットを正しく捉えているか!?という点から始まって、市場に対して認知向上・売上向上に繋げて行くためのロードマップがうっすらと見えていることが必要となります。そのためには、最低限のマーケティング知識であったり、現地で強いメディアについて理解をする必要がございます。

現地法人マーケティングマネージャ/外部委託先の力量

 正直、現地には海千山千の人材がおります。しかしながら、赴任するまでは自分の担当範囲外の領域であったマーケティングに関して、その人材やアウトソース先の良し悪しを判断することは至難の技です。そして良くあるのが、現地マネージャに任せっきりにしてしまって、良くわからないからという理由だけで結果も出せていないのに、そのままその人材を活用し続けることが往往にして良くございます。

マーケティング施策の計画力および運用力
 ①、②がある一定レベルにあった上で、現状の企業のおかれた状況。そしてマーケットの状況を鑑みて、正しいマーケティング戦略を立案できるか?そしてその計画をしたところで実行段階にてPDCAをタイムリーに回しながら運用をし続けられるかが、次の課題となってまいります。

 

 いずれの方式をとるにしても、現地市場を正しく知ること。自社の認知度やブランディングにおける現在地については良く知って行く必要がございます。そして、それを実現するためには、まず現地に対する理解をすること。マーケティングのベーシックに知ること。そして餅は餅屋として、最適な人材にタスクを依頼して、PDCAの運用に注力していくことが肝要と存じます。