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ビジネスのヒント26〜海外進出の形態

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 今回は海外進出の形態について書いてみたいと思います。各社様様々な形で、海外進出をされておりますが、その際の形態およびメリット・デメリットについてまとめてみました。

 

1. 代理店/ フランチャイジー方式

 代理店方式は、よく日本企業様が海外に進出する時に使われる手法です。現地の販売代理店や卸売り事業者を発掘して、その企業に自社の販売した商品を日本から送り、現地で販売してもらう手法です。一度販売代理店や卸売り事業者を見つけてしまえば、その先の販路への販売については現地にお任せという形で、自社にとってのリスクは殆どない形になります。デメリットとしては、もし販売代理店が自社以外の同様の商品を取り扱っていた場合ですが、その先のお客様に売りやすい商品を販売する傾向が強いことが上げられます。例えば、Aという醤油とBという醤油と取り扱いがあり、Bの方が同様の品質で若干安く売りやすいなどと言った事例となります。またブランディングの観点では、自社の商品・ブランドがマーケットに対して、自社が思う形で伝わっているかどうかが分からないことがネックとなります。そのため、必要に応じてマーケットでの自社の市場からの認知について把握し、必要に応じて適切なブランディングの構築をしていく必要が出てくる可能性がございます。

 

2. 合弁会社 / ジョイントベンチャー方式

 文字通り他社と協力して会社を設立し運営することとなります。パターンとして、2通りでございまして、①合弁相手が資本の過半以上を取る場合。逆に②自社が資本の過半以上を取る場合に分かれる形となります。
①合弁相手が資本の過半以上を取る場合

この場合、原則合弁相手が事業の運営に責任を取ることが多いです。そのため、自社としては、自社に帰属するノウハウの提供等の現地への落とし込みをすることや、現地への商品の送り込みが必要なタスクとなることが多いです。そのため、代理店に任せる時と同様に、自社の工数がそれほど必要なく人的投下量もそこまで必要とせずに進出ができることがメリットとなります。一方で、経営権を先方に委ねることとなるので、経営がうまくいった場合でも、うまくいかなった場合でも合弁相手との間で、問題が生じることが少なくないことが挙げられます。

②自社が資本の過半以上を取る場合

この場合、後で説明します直営方式と似ており、経営の主体は自社が管理することとなり、先方のリソースが必要な部分のみサポートを受けることになります。また経営権は自社に帰属するため、自社の自由度は非常に高いものとなります。一方で、現地のことを理解することができ、現地に言語面も含めて入り込むことができ、営業からマーケティング、人事・財務等全般的なマネジメントができる経営人材を、自社で確保して運営にあたる必要が出てくるため、人材の確保という点で厳しい面がございます。また合弁先が、あまり支援をしてくれなかったということが原因で、揉めることがあるのも、この方式のデメリットとなります。

 

3. 直営方式

文字通り全てを自社で責任を取って実施する方法です。この場合一番ネックとなるのが、上でも述べました通り経営的な人材を確保することです。如何に様々なツールが発達して、日本本社の判断をすぐに仰げる状態になったと雖も、アジアで求められるのは、現地でその場その場で判断をすることです。逆に言いますと、その場で判断をすることができなければ、現地の人たちには、この人は意思決定をする能力がない、自信がない人なんだと考えられて、見くびられてしまうのがおちです。そして、全ての営業先やマーケティングなど、自社の責任範囲でしなければならないため、時間を要するのがこの方法のデメリットとなります。

 

 会社の事情。進出する国やその成熟度。また時代や事業ドメイン、業界によって、最適な方法は異なってまいります。当然一人でなんでもできるスーパーマンがいれば、特に問題はないのですが、そのような人材は中々見つけることはできません。そのため、現地について良く知っている人を活用することも必要ですが、中には日本人を騙す日本人がいることも気をつける必要があります。そして、一つの事象を取り上げても、いくら長くその国に住んでいても、日本人と現地の人では考え方、捉え方は全く異なるものとなりますため、必ず現地に人たちの視点というものも考慮のうちに入れる必要が出てくることとなります。故に、どんなに拙くても現地の言葉で現地の方とコミュニケーションをとることが重要になってまいります。